集中豪雨という言葉が初めて使われたのは、1953年の南山城水害という。京都府の記録で総雨量428ミリ、時間雨量100ミリに達し、「集中豪雨木津川上流に」の見出しで新聞が伝えた▼堤防決壊などで336人が犠牲となった苛烈さが語感にこもる。気象用語としては、豪雨は雨の降り方でなく、大きな被害を伴う大雨をいう▼平成最悪の大雨災害となった西日本豪雨で、最初の特別警報が出てきょうで1年になる。広島、岡山、京都など広い範囲で関連死を含む犠牲者は270人超に上った▼浮き彫りになったのが、住民が避難行動を起こす難しさだ。自治体の避難情報で危険性が十分伝わらなかった教訓から、気象庁は切迫度に応じ5段階の警戒レベルで発信し始めた▼今回の九州南部の大雨では、最大約110万人にレベル4の避難指示が出されたが、避難所に身を寄せたのは約8500人。移動が危険な場合もあり、どう判断したかは検証が必要だが、土砂崩れで高齢女性2人が犠牲となった▼年配者は経験への過信などから避難する割合が低いとされ、周りの働きかけが大切だ。地域で川の水位など具体的に避難を始める基準「避難スイッチ」を決めておくのがいいという。たとえ空振りでも「みんな無事でよかった」と笑い合える地域にしたい。