地球を飛び立ち、宇宙の神秘に触れた宇宙飛行士たちの言葉は、それぞれ含蓄がある。数多い名言の中で「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍だ」は特筆されよう▼米国の宇宙船「アポロ11号」のニール・アームストロング船長が、1969年7月に人類初の月面着陸に成功してから半世紀となる。当時、本紙号外は「人類ついに月到着」「ここは岩と砂の海」と興奮気味に世紀の快挙を伝えた▼人類が他の天体に降り立った最初の瞬間を伝える映像は、36カ国へ衛星中継された。推計3億人もが船長らの月面活動を見守った(講談社「昭和 二万日の全記録」)▼冷戦期の米ソは宇宙の覇権を競い合っていた。ソ連の人工衛星「スプートニク1号」打ち上げ以降、後れを取ってきた米国にとって、アポロ計画は国威をかけた起死回生の一打であった▼宇宙は昨今、中国などの参入で状況が変わりつつある。特にトランプ米政権が中国やロシアとの「戦略的競争」を優先して「宇宙軍」創設を促すなど、何ともきな臭い▼とはいえ、国主導とはひと味違う民間の宇宙ビジネス参入に夢が膨らむ。日本でも5月に民間主導で格安な小型ロケットが宇宙空間へ打ち上げられ、商用化が近づいた。小さな一歩を大きな飛躍につなげてほしい。