これは「大草原の動物村」のお話。動物たちの学校が落雷の被害に遭ったが、建て直すお金が村にない。思案に暮れる中、先生のキリンがあるアイデアを提案する▼「村で買い物をするとき、学校を建てるためのお金を一緒に集めよう」。みんなが協力し、ためたお金で建てた学校にまた通えるようになった-▼国税庁ホームページにある「税の絵本」の一つだ。子どもらも納税者となる消費税の仕組みと、身近に役立てられる大切さを知ってもらおうということだろう▼現実は、絵本のように笑顔の大団円といきそうにない。10月の消費増税まで2カ月を切ったが、軽減税率など制度の複雑さに店側の準備が遅れ、現場での混乱が不安視されている▼近づくにつれ膨らむ疑念もある。増税に合わせた景気対策の「ポイント還元」だ。クレジットカードなどキャッシュレス決済で買えば中小の商店で5%、コンビニなど系列店で2%が買い物ポイントで戻ってくる▼ところが、数百万ある利用対象店のうち参加申請数は7月末で24万店程度。身近に対応店がなければ利用できず、カードなどを多種類使える人ほど恩恵が大きい。何より、増税分以上を返して実質的に負担しなくするのは、税本来の趣旨をかすませる。キリン先生も長い首をひねるばかりではないか。