土地売買でもうけた札束を元芸者の女が風呂敷でくるむ。かつての仲間が夕飯に買ってきたとんかつは新聞紙に包まれている―。没後50年となる成瀬巳喜男監督の映画「晩菊」(1954年)を見ていて「包装」が気になった▼今や当たり前となったレジ袋の提供を禁止しようと亀岡市で協議が進んでいるからだ。全国初の罰則付き条例施行を来夏に目指すが、「世界の流れ」と勢いづけば、「コストが増す。拙速だ」と現実論も出る▼レジ袋を使わない生活を同僚が試してみた。マイバッグを持ち歩き、スーパーで感謝されるも、コンビニではまごつく。臭いがきつい生ごみ処理は、別にビニール袋を購入したら意味がないと、窓を全開にして耐えたという▼海洋汚染の元凶とされるプラスチック製品。再資源化や再利用には限界があり、身近なレジ袋から見直すのに異論はない。市内でも有料化に踏み切ったり、紙袋に替えたりする店舗が相次ぐ▼ただ、「プラ」マークが付いた製品がいかにあふれていることか。気が付けば、店でマイバッグに詰めた弁当や飲み物が全てプラ容器入りだった▼プラ製品が普及したのは低コストで軽くて丈夫だから。大量生産・流通に欠かせない容器包装を減らしていくのは相当の覚悟がいる。レジ袋禁止は入り口にすぎない。