キャベツ、菜の花、クローバー…。てっきり上等なコンブでも与えないと育たないと思っていたが、そうでもないらしい。いずれもウニの餌になるという▼宮津市の海洋高3年生が6月から京都府特産の菜の花を餌に、ムラサキウニの養殖を始めた。同高とウニの関わりは10年前から。丹後の海藻を食い尽くすウニの駆除がきっかけだ▼他の魚介類が育つ藻場を守るため年1回、潜水してウニを一つずつ取り除く。これらのウニは食用部分が痩せていて実入りが悪く、商品価値がない。砕いて牛ふんを混ぜ、肥料にしてきた▼全国ではウニの商品価値を高める養殖研究が始まっている。神奈川県水産技術センターではキャベツを与えたところ、実入りや味覚で成果を上げた。クローバーで成功した大学の研究もある▼海洋高の水槽では、廃棄する菜の花の茎をウニがかんでいた。捨てられる餌で価値の高い食材を育てられるかどうか。「可食部が増えて出荷できるまでのサイクルができれば、漁業と農業の振興につながる。生徒たちの夢です」と水藤章夫教諭(24)は話す▼餌をキャベツと菜の花に分けて別々の水槽で育てており、来年6月ごろに割って実入りなどを比べる。濃厚な味のウニは高級なすしネタになる。成功すれば、経済的な実入りも大きいだろう。