まさに地球の裏側、ブラジル北部アマゾン地域で今夏、森林火災が猛威を振るっている。アマゾン川流域に広がる熱帯雨林を記録的な勢いで焼き尽くしている▼世界最大の熱帯雨林は地球上の原生林の3分の1を占め、野生生物の宝庫でもある。二酸化炭素(CO2)を吸収して地球温暖化の緩和に重要な役割を担い、「地球の肺」と呼ばれる▼多湿の印象が強いが、乾期の夏場は例年、森林火災が起きやすい。落雷による出火に加え、森林を焼いて畑や家畜の放牧地にする「焼き畑」による火災が少なくないそうだ▼ブラジル国立宇宙研究所によると、国内でことし約7万8千件の森林火災が起き、前年同期比で発生件数が84%増加しているという。吸収されていたCO2が森林焼失で大気中に放出され、地球全体への悪影響が懸念されている▼先進7カ国首脳会議でも事態を懸念し、消火の緊急支援に約21億円の拠出を決めた。対岸の火事と看過できないのは当然だろう▼地球温暖化対策や熱帯雨林保護に消極的なブラジル政府が、違法な開拓行為を容認してきた、との批判も根強い。しかし開発によって熱帯雨林は畑や牧場に変わり、そこで育てられた大豆や肉牛は先進国へ輸出されてきた。真に環境破壊を助長してきたのは誰か。改めて考えてみる必要がある。