青葉容疑者逮捕の受け止めを語る津田伸一さん(5月27日午前、兵庫県加古川市)=代表撮影

青葉容疑者逮捕の受け止めを語る津田伸一さん(5月27日午前、兵庫県加古川市)=代表撮影

 京都アニメーション放火殺人事件で青葉真司容疑者(42)が27日朝に京都府警に逮捕されたのを受け、犠牲者の遺族や知人は悲しみと怒りを新たにし、「なぜ事件は起きたのか」と真相の究明を求めた。

 犠牲になった津田幸恵さん=当時(41)=の父伸一さん(70)は兵庫県加古川市の自宅で報道各社の代表取材に応じ、青葉容疑者が逮捕されたことに、「何も感じない」と話した。
 伸一さんには午前7時25分ごろ、警察から逮捕の連絡があった。「(青葉容疑者のことを)恨んだり憎んだりする心が湧いてこない。ただ娘が死んだ悲しみ。それだけだ」と淡々と語った。
 事件で亡くなった石田奈央美さん=当時(49)=の両親も京都市伏見区の自宅で代表社の取材に応じた。父親(84)は「取り調べや裁判で、なぜ火を付けなければならなかったのか、明らかにしてほしい」と硬い表情で語った。母親(79)は奈央美さんの自室に設けた仏壇にご飯と水を供え、「やっと逮捕されたよ」と報告した。「長い10カ月だった。頭では亡くなっていることは分かっているが、まだ生きている感覚があります」と涙ぐんだ。
 犠牲者の宇田淳一さん=当時(34)=の大学時代の後輩で、アニメサークル仲間の会社員男性(34)=大阪市=は「青葉容疑者はどういう経緯であんなことをし、結果についてどう思っているのか詳細を知りたい」と語った。
 サークル時代の宇田さんは黙々と作業し、優しくて頼れる存在だった。「残された家族のことを思うと、許せない気持ちを持ち続けている。心から遺族に謝罪してほしい。加害者にできることはそれしかない」と声を落とした。
 京アニのファンからも全容解明を求める声が上がった。十数年来のファンというトラック運転手の男性(42)=大阪府摂津市=は、事件直後と第1スタジオ解体後の2度、現場を訪れ、犠牲者を悼んだ。「容疑者が逮捕されたとしても、亡くなったクリエーターたちが戻ってくるわけではない」と言い、「容疑者の命は医療者の懸命の治療により救われた。あの日、自分が何をしたのかについて自らの口で全てを語ってほしい」と話した。