ネーミングの妙とでも言えようか。福知山市中心部の新町商店街にある空き店舗が改修され、調理場付き貸店舗に生まれ変わった。「アーキテンポ」と名付けられた▼商店街で毎月開かれる定期市「福知山ワンダーマーケット」の実行委員会が運営する。3年前に始めた「第4日曜の市」は定着し、食品や雑貨などこだわりの店が並ぶ。だが、普段の人通りは少ない▼店を持ちたい人がチャレンジできる場や日替わりで出店する仕組みを作れないか。起業へのステップにと貸店舗を企画、30年以上シャッターが下りたままの元紳士服店を借り受けた▼ベンチを併設した大きな窓が印象的。京都工芸繊維大で建築を専攻する嶋貫真子さん(22)が設計した。「日替わりで変化する店内の風景や匂いが通りに伝わる感覚を意識した」。人が集い、会話が生まれる商店街ならではの空間へ。新風を吹き込んだ▼アーケードやレトロな看板とも調和する。今夏、本格的に始動し、出店者の個性が光る。旬野菜の朝ご飯、製麺所のタレラーメン、エスニック料理、バー…▼「アーキテンポをきっかけに定期市のにぎわいが日常になれば」と実行委の庄田健助代表(35)。アーキテクトは建築家。アーキはあるじを意味する。福知山スタイルは地方再生のヒントにもなるだろう。