発足から10年を迎えた「青谷古文書を読む会」のメンバー

発足から10年を迎えた「青谷古文書を読む会」のメンバー

 京都府城陽市の市民サークル「青谷古文書を読む会」が、発足から10年を迎えたことを記念し、江戸時代の古文書を翻刻、解読した冊子を発行した。学習成果を形にしようと冊子にまとめた塚脇康宏会長(67)=同市市辺=は「近世京都の大商家の婚礼を伝える貴重な史料だと思う」と話す。
 手掛けた古文書は「縫嫁入祝儀控(ぬいよめいりしゅうぎひかえ)」。江戸後期の天保年間、現在の京都市内にあった商家の娘が別の商家に嫁ぐ際の婚礼儀式の模様や、もらった餞別、嫁入り道具を運んだ人への謝礼の額などを娘側の家が詳細に記録した。塚脇会長が入手した原本を、会メンバーが1年かけて解読した。
 むこやしゅうとが嫁側の家を訪ねた際の宴席では、タイやハモ、ウズラといった高級食材をふんだんに使った料理を出した、とある。飢饉や大塩平八郎の乱(1837年)が起こって庶民が困窮した時代でも、大商家が豪華な生活をしていたことがうかがえる。
 餞別リストでは、誰から何をもらったかを詳細に記録し、塚脇さんら会のメンバーは「当時の商家が人のつながりを大切にしていたことが分かる」。餞別の中には百人一首のかるたや和歌もあり、教養ものぞくという。
 会は、塚脇さんの呼び掛けで開いた講座をきっかけに発足し、メンバーは現在13人。事前に配られる資料のコピーを各自が解読し、月に1回集まって突き合わせている。会での活動を契機に、大学の古文書講座などに参加する人もいるといい、塚脇さんは「古文書を読む輪を広げたいと思ってやってきた。みんなが興味を持ち、力を付けてきた」と喜ぶ。
 冊子には、今回の解読に対する感想や、活動の思い出を振り返り、「ゆっくり楽しく、古文書の世界に浸っていきたい」などと記したメンバーの文章も掲載した。
 50部発行。希望者に1冊千円で販売する。