政府は、新型コロナウイルスの影響への追加経済対策を盛り込んだ歳出総額31兆9114億円の2020年度第2次補正予算案を閣議決定した。

 過去最大額だった1次補正をさらに上回った。事業者への家賃支援や雇用調整助成金の増額を柱に、医療従事者への慰労金支給、ひとり親世帯への一時金支給なども盛り込んだ。

 安倍晋三首相は規模を誇るが、本来は1次でやっておくべき内容も多い。不十分だった施策を手当てするために巨額の追加対策を迫られた面は否定できない。

 とはいえ苦境に立たされる生活者や企業へ支援策を講じるのは当然である。問われるのは実効性とスピードだ。

 1次補正での一律10万円給付金は、まだ多くが届いていないとみられる。雇用調整助成金は手続きが煩雑すぎると批判された。

 466億円の巨額を投じた全世帯への布マスク配布に至っては、不具合で遅れるうちに市中での不足がほぼ解消している。

 同じことの繰り返しは許されない。政府、与党は6月8日の国会提出、同12日までの成立を目指すというが、執行に際してはさらなる迅速化を図ってほしい。

 財源は全額を国の借金である国債の増発で賄う。新規国債発行額は20年度全体で90兆2千億円に上り、予算の56・3%を占める。

 やむを得ない面もあるが財政悪化は明らかであり、大半を日銀が買い支える危うい構図が一段と強まることになる。

 気になるのは、安倍政権の支持率急落を挽回するかのように歳出総額が膨らんだことだ。誰のための予算かと言われかねない。

 「スマートライフ実現のための人工知能(AI)シミュレーション事業」なども含まれており、総花的な印象が拭えない。

 使い道を決めていない予備費が10兆円の巨額になった点も見逃せない。予備費は国会のチェックが不十分になるため、これまで多額の計上は控えられてきた。

 首相の意向で大幅な積み増しになったとされるが、無駄遣いにならないよう、抑制が求められるのではないか。

 対策が後手に回り、追加した施策も実効性を伴わず、借金だけが膨れあがる―そんな最悪の展開は避けなくてはならない。

 将来にツケを回している現実にも目を向け、「不要不急」の支出がないか20年度予算全体について精査するべきだ。