感謝状を受け取る沢辺さん(右)=綾部市青野町・綾部市立病院(三田市提供)

感謝状を受け取る沢辺さん(右)=綾部市青野町・綾部市立病院(三田市提供)

 昨年12月16日に開かれた「三田国際マスターズマラソン」(兵庫県三田市)で、出場していた綾部市立病院(同市青野町)の医師が、心室細動で倒れていた男性ランナーの命を救った。奇跡的な救命劇で、大会主催者から感謝状を贈られたが、「医師として当たり前のこと」と話している。

 医師は綾部市立病院勤務医で診療部長の沢辺保範さん(57)=福知山市在住。この日はハーフマラソンを走っていた。ゴールまで約2キロに迫った三田市内で路上にランナーの40代男性が倒れているのを発見。駆け寄り、心肺停止状態と分かると、心臓マッサージを施した。

 観衆の通報で現場近くにいた救急車が急行。救急隊員が自動体外式除細動器(AED)を使う一方、沢辺さんは口からの挿管も行い、搬送先の病院まで同行した。的確な処置のおかげで男性は意識を取り戻し、その後順調に回復、一命を取り留めた。

 沢辺さんは搬送先の病院から約1・5キロ離れたコースまで戻り、レースに復帰。救命に20分前後かかったため、大会の制限時間内にはゴールできなかったが、完走した。昨年12月27日には、主催者の三田国際マスターズマラソン実行委員会として三田市幹部が綾部市立病院を訪れ、沢辺さんに感謝状と完走証を手渡した。

 沢辺さんはランニング歴9年。「誰も救護していなかったので、医師として当然のことをしただけ。趣味のマラソンが人の役に立って良かった。次の大会も出たい」と振り返っていた。