「子どもの貧困対策推進法」の施行から5年を迎えた。節目を機に、超党派の議員連盟が法改正でさらに取り組みを進めることを検討している。

 現行法では、対策の計画策定が都道府県の努力義務となっているが、より身近な市町村にも求める方向だ。早ければ通常国会に与野党で改正案を提出する。

 推進法は親から子への「貧困の連鎖」を断ち切ることを目的とするが、経済的にゆとりがない家庭と一般家庭での教育機会には、依然として大きな格差が残る。実情に応じた丁寧な取り組みができるよう、実効性のある改正を望みたい。

 推進法は議員立法で制定、2014年1月17日に施行された。生まれ育った環境で将来が左右されないよう教育支援などの対策を国や地方自治体が実施する責任があると規定している。

 これを受け、政府は低所得者向けの奨学金制度の充実や幼児教育無償化などを盛り込んだ政策大綱を決定し、各都道府県も大綱を踏まえて対策計画を策定した。これらによって支援は一定進んだが、一方で生活保護費の減額などもあり、まだまだ十分とは言えない。

 平均的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の割合を示す「子どもの貧困率」は、15年時点で13・9%、7人に1人になる計算だ。12年の16・3%からは改善したものの、先進国の中では高い水準にとどまる。

 生活保護を受給する世帯の子どもの大学・専修学校進学率は、17年4月時点で35・3%。13年4月時点からはやや上昇したが、全世帯の73・0%に比べると半分以下だ。進学すれば同居していても生計が切り離されて生活保護費が減額される「世帯分離」の制度もブレーキになっており、見直しを検討するべきだろう。

 京都府はひとり親家庭の子どもに対する居場所提供や「子ども食堂」を実施するNPO法人などに運営助成をし、滋賀県も生活保護世帯の高校進学率を高める数値目標などを掲げる。市町村の中には独自に支援計画を持つ自治体もある。

 基礎自治体である市町村の役割を重視する声は、支援団体からも出ている。都道府県との役割分担を明確にし、非正規で働くことが多いシングルマザーらの就労支援にも力を入れてほしい。

 子どもの貧困の実態は見えづらく、地域差もある。支援の行き届かない子どもたちをなくす、きめ細かな対策を求めたい。