【資料写真】滋賀県庁

【資料写真】滋賀県庁

 滋賀県多賀町で9月に豚コレラウイルスに感染した野生イノシシ1頭の死骸が見つかった問題で、県内の養豚農家全5戸が飼育豚へのワクチン接種を県に希望していることが3日、分かった。接種の是非は農家の意向を踏まえ、三日月大造知事が近く最終判断する。
 国は見直しを進める防疫指針案で、飼育豚や野生イノシシの感染が確認された滋賀を含む9県について接種を推奨する地域に指定した。衛生管理の徹底だけでは感染防止が困難な場合、知事の命令で飼育豚にワクチンを接種できる。県が対象地域や開始時期、ワクチンの数量などを盛り込んだプログラムを作り、国の承認を受けて実施する。
 県内では養豚農家5戸が約4千頭を飼育し、大阪府や愛知県などに出荷している。県は国の防疫指針改定を見据え、2日に近江八幡市内で農家5戸との意見交換会を開き、個別に意向を確認した。
 ある農家は取材に対し「全国で豚コレラが蔓延する中、滋賀の農家も協力して感染を押さえ込まないといけない」と話し、接種の希望を県側に伝えたという。
 ワクチンを接種した豚は基本的には感染しないが、国は生きた豚や死骸などの接種地域外への持ち出しは原則認めていない。接種した豚の肉や加工品の流通についても接種地域内に制限する考えだったが、農家の理解が得られにくく、実効性がないとする専門家の意見も踏まえ、制限しない方針に転換している。