龍谷大の学内イベントで、オンラインで新入生らと交流する男子学生。「自分も新入生の頃、先輩にさまざまなことを教えてもらった」という(大阪府枚方市)=男子学生提供

龍谷大の学内イベントで、オンラインで新入生らと交流する男子学生。「自分も新入生の頃、先輩にさまざまなことを教えてもらった」という(大阪府枚方市)=男子学生提供

 今春大学に入った学生が人間関係づくりに悩んでいる。新型コロナウイルスの感染拡大で入学直後から大学に入構できず、生活や学習の悩みについて「気軽に相談できる仲間」をつくる機会が少ないからだ。京都府は28日から大学再開を認めたが、前期は教室で授業を行わない大学も多い。新入生を「ひとりぼっち」にさせないよう、教職員や先輩はオンラインツールを使って支えようとしている。

 ワンルームでパソコンに向き合い、大学から出された課題を黙々とこなす。「これが学生生活…?」。立命館大に入学した男子学生(18)=京都市北区=の心は晴れない。「孤独だ」。学生はため息をつく。
 九州地方出身。大学に高校時代の同級生はいない。リポートの書き方も分からず、インターネットで体裁を調べて乗り切っている。「友人がいれば教え合えるが」。週に数回あるオンラインのビデオ会議システムを使った授業では、同級生と雑談する時間さえない。
 高校の友人が身近にいる新入生も多いと聞く。「人間関係でも学びでも、これから差ができてしまうのではないか」と不安は募る。
 全国大学生活協同組合連合会が4月に行った調査で新たにできた友人数を尋ねたところ、新入生約1万6千人のうち「0人」は44・1%、「5人未満」は39・0%。「話し相手もおらずさみしくて毎日のように泣いている」「分からないことがあった時、相談相手もおらず不安」などの声があった。同会は「4月は経済的な悩みが多かったが、人間関係の不安が今後顕在化する恐れがある」とする。
 一部の大学は上級生と新入生、新入生同士をつなごうと試みている。
 龍谷大(伏見区)は5月にオンラインで行った学内イベントで、新入生らに相談事などを自由に語り合ってもらう交流会を開いた。交流会で司会を務めた3年男子学生(21)は「新入生は学生同士のつながりを求めている」といい、3年女子学生(20)は「交流会を大学再開後の関係づくりにつなげてほしい」と願う。
 京都橘大(山科区)は6月から2~4年生が新入生の生活や学習を支援する取り組みを始める。上級生1人当たり5~7人を担当し、オンラインで相談に応じたり昼食会を開いたりして必要な場合は大学の相談窓口を紹介する。プロジェクトリーダーの大学職員(39)は「学生同士で学び合う意義は大きい。いきなり大学の窓口に相談するのは壁があっても、小グループなら話しやすいのではないか」と期待する。
 先輩学生自身が独自にサポートする動きもある。
 下宿生を支える活動を行っている同志社大(上京区)の学生サークル「homey(ホーミィ)」は、新入生をはじめ在校生も悩みを話せるようにと、ビデオ会議システムを使った集いの場を5月中旬以降、平日の午後8時から1時間程度開いている。
 サークルのメンバー数人が話し相手になり、府外出身の新入生からは「サークルや学内の雰囲気が分からない」「学食もなく、外食もできず、食事を作るのが大変」などと悩みが寄せられたという。2年男子学生(20)は「新入生の時は先輩にとてもお世話になった。自分もできることを支援していきたい」と話した。