台風15号による停電は千葉県を中心に最大93万軒に及び、全面復旧は13日以降になる見通しだという。猛暑も加わり、エアコンなどが使えない住民の苦労がしのばれる▼冷房のきくマイカーで暑さをしのぐ人も多かったようだ。エコノミークラス症候群に気を付ける必要があるが、ラジオが聴けるし、スマートフォンの充電もできる。ブラックアウトが起きた昨年の北海道地震でも、車が救世主になったといわれる▼日本自動車連盟(JAF)の検証によれば、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)の電源は電気ポットやホットプレートにも使え、調理も可能だ▼コンセントのない一般の車はシガーソケットを電源に変換するインバーターを使うが、バッテリーに余裕がないため消費電力の大きい家電は長時間使えない。それでもエンジンをかければ電気毛布やランプに使えたという▼東京都練馬区は災害時の停電に備えてEVなどを持つ区民や事業者にあらかじめ登録してもらい、車の電源を避難所で使えるようにする制度を設けている。京滋の自治体も参考にしたい取り組みだ▼車を巡っては人工知能(AI)による自動運転に光が当たりがちだが、非常時の電源車としての機能にも目を向けたい。車選びの基準も少しずつ変わっていくのではないか。