テレビでもおなじみの漫画「サザエさん」のお父さん、磯野波平さんといえば「ばかもの!」と怒鳴る姿が、いかにも昭和っぽい。頭頂に毛1本、鼻下にひげという見かけだが、年齢は54歳ということだ▼かつての男性の平均寿命をみると、1951年で60歳、71年で70歳だ。定年が55歳という時代、波平さんが特に老けていたわけではないことを、本人に代わって言っておこう▼きょうは「老人の日」で、あすは「敬老の日」。映画館のシニア料金はありがたいのに、高齢者と見られるのは遠慮したい-という当方の内心に、うなずく方もおられるのでは。そもそも高齢者という自覚が全くない▼日本老年学会が2年前、高齢者の定義を見直し、65歳以上から75歳以上にしては、と提言した。10年前に比べ体や知力が5~10歳は若返っていると、科学的データに基づくだけに影響は大きい▼案の定、政府は社会保障や雇用制度で、高齢者を支える側、働き手に回るように考え始めている。ちょっと待ってほしい。高齢になるほど健康や生活面で個人差が大きくなり、年齢でくくれないと危惧する声も上がっている▼年を重ねて、よけいな荷を下ろしたい人もいるだろう。こんなシルバー川柳を見つけた。<また一つプライド捨てて楽に生き>(千葉県・75歳男性)