昨秋の全国高校選抜ホッケー大会府予選で活躍する山下さん(京丹波町大朴・グリーンランドみずほ)=須知高提供

昨秋の全国高校選抜ホッケー大会府予選で活躍する山下さん(京丹波町大朴・グリーンランドみずほ)=須知高提供

 全国高校総合体育大会(インターハイ)や夏の甲子園、全国中学体育大会(全中)など全国規模のスポーツ大会の中止に伴い、京都府の大会も中止となった。一方、全国高校総合文化祭(総文祭)はインターネット上での開催を試みるなど模索中で、新型コロナウイルスの影響は計り知れない。それでも前を向く2市1町の中高生らの声を届ける。

■ネット開催の総文祭 「直接見てもらえないが感謝」

 「人数もそろい、実力も付き、今年こそインターハイに行けると本気で思っていた。挑戦すらできないのが一番悔しい」。須知高女子ホッケー部の山下天海主将(17)は、少しうつむいた。

 3月3日、ウイルス感染拡大防止による臨時休校に伴い、練習も中止に。昨年末の全国高校選抜大会でベスト8入りしたチームは士気を高めているところだった。仲間と励まし合いながら自宅でトレーニングに取り組む中、4月26日にインターハイの中止を知る。予選もなくなった。「大きな目標を一瞬にして失った。心に大きな穴がぽっかりと空いた感じだった」

 2年連続、府予選決勝で立命館高に惜敗した。いずれも同点のままで迎えたシュートアウト戦で涙をのんだ。「いつも、あと一歩のところだった。次こそはと悔しさをバネに練習に打ち込んできた中だった」と高橋祥子監督(44)は思いやる。

 山下主将は「すぐに皆の気持ちが切り替わるわけではないが、次の大会や進路に向けて動かなければ」と前を向く。例年なら12月に全国選抜大会がある。「いつ何が起こるか分からない。できることを少しずつ進めていく」と気丈に語る。

 全中も4月28日に中止が決定。昨夏の府大会でベスト8入りした園部中女子バレーボール部の津田咲登主将(14)と山口聡菜副主将(14)は「全中に出て結果を残したいと全てを懸けてきた」と喪失感を抱くものの、「今までの頑張りはきっと人生のどこかで生きると信じたい」と気持ちを強くする。

 人見憲佑監督(29)は府大会や近畿大会でも結果が残せると期待していた。「今年のメンバーは京都一を目標に、きつい練習にも弱音を吐かず成長してきた。今一番悔しいのは生徒たちのはず」と心を配る。

 「文化部のインターハイ」と呼ばれる総文祭は今年、高知県で開催予定だったが、会場に高校生を集めず、インターネット上で発表の場を設ける方針だ。

 園部高の吟詠剣詩舞部は16年連続の出場が決まっている。中澤友哉部長(17)は「会場で直接見てもらうことはできないが、感謝しています」とほっとした表情を見せた。

 美術・工芸部門の絵画に出展する亀岡高の加登千奈美さん(17)は「作品を直接見てほしいという思いもあるが、集団感染を防ぐためなら仕方ない」と複雑な胸中を口にした。

 1998年の夏の甲子園で準優勝した京都成章高のメンバーとしてベンチ入りした南丹高野球部の牧野隆史監督(39)は生徒の立場を思い、こう呼び掛ける。「全国の舞台に立てなくても、決して今までの努力が消える訳ではない。そこに残るものに価値を見いだして、この逆境に立ち向かってほしい」