日本人は風邪でもないのに普段からマスクをする人が多くて、ヘンだ―。以前、日本を訪れた外国人がテレビでそう話すのを聞いて、思わず相づちを打った。内心ずっと奇異に感じていたからだ▼だが新型コロナウイルス感染拡大でそんな考えは消し飛んだ。マスク姿はいまや日本に限らず世界中で日常の光景となった。マスクをしていない人を見ると、逆に違和感を覚える。何とも現金なものだと自分にあきれている▼これまでマスク姿で真っ先に思い浮かぶ存在といえば、ごみの収集作業員だった。30年ほど前の学生時代に清掃会社でアルバイトをした際、常に着けていた記憶が強く残る▼悪臭を一定抑え、収集車に投げ入れたごみの破片や飛沫(ひまつ)が顔に飛んでくるのを防ぐ意味もあった。他の必需品は、頭を守る帽子と目を守るサングラスに、ゴム手袋。安全靴があれば、なお良しとされた▼新型コロナによる外出自粛要請以後、家庭から出るごみが大幅に増えたという。そんな中、感染の危険と隣り合わせで頑張る収集員に向け、応援のメッセージを書いた紙をごみ袋に貼ったり、手紙を渡したりといった動きが京滋など各地で広がり、励みになっているようだ▼ここで感謝の思いをもう一歩進め、家庭ごみを少しでも減らせるよう、一人一人が心掛けたい。