レトロな西洋建築が並ぶ京都市の三条通で、シンボル的な存在が旧日本銀行京都支店だ。現在は京都文化博物館(文博)の別館として公開され、芸術イベントなどにも幅広く活用されている▼建物の設計者辰野金吾の没後100年にちなんだ展示が同館で催されている。同館と南北で接する三条通と姉小路通の住民団体によるまちづくりを紹介しているのが、展示の特色だ▼地域には洋館と伝統的な町家や老舗が残る。住民団体はバブル期のマンション計画を契機に景観保全に力を入れてきた。観光客や宿泊施設が増加した近年は、住民生活との共存の道を模索している▼文博は「博学社連携」というテーマを掲げて、地域社会との関わりを重視してきた。伝統建築の見学ツアーやシンポジウムの開催、外国語による町歩きマップの配布などに取り組んでいる。「文博はともに知恵を絞る隣人だ」との声が、住民から上がる▼7日に閉幕した国際博物館会議(ICOM)京都大会では、時代の変化に応じた課題の解決に向け、社会により積極的に関わる必要性が重要な焦点になった▼大学や社寺、歴史文化、自然など多様な分野の個性的な施設に京滋は恵まれている。地域の課題をともに考え、魅力を発掘する身近なパートナーとして、博物館をもっと活用しよう。