就活中の学生とインターネットで面談する大学職員(京都市北区・京都産業大)

就活中の学生とインターネットで面談する大学職員(京都市北区・京都産業大)

 2021年春卒業予定の大学生らの採用面接などが1日、政府が定める解禁日となり、京都や滋賀の大手企業も選考活動を本格化した。今年は新型コロナウイルス感染防止のため、多くの企業がウェブ形式の面接などを導入。大学も「新たな就活様式」に対応し、ウェブ模擬面接を実施するなど手探りで学生を支援している。

 今年の就職活動は、新型コロナの感染拡大で一変した。3月以降の企業説明会は相次いで中止となり、就活の舞台は接触を伴わない「オンライン」が主流となった。

 京セラは、新卒採用の面接試験をウェブ形式で1日から始めた。現時点では全て非対面のリモート(遠隔)で実施する計画だ。宝ホールディングスも、同日からビデオ通話アプリを使った面接を本格化。村田製作所も全てウェブ形式とする一方、今年はグループ討議の選考を中止した。

 政府の緊急事態宣言が全国で解除されたこともあり、対面による「リアル面接」を検討する企業もある。任天堂は、筆記試験や面接をウェブ形式で実施する一方、最終面接は対面で行う予定という。

 一気に広がったリモート選考には、一長一短がある。画面越しで質疑応答をするウェブ面接について、オムロンは「しぐさや感情面など細かな反応を読み取ることが難しい」と苦慮。京セラも「地方や海外留学中の学生の選考機会が増える利点はあるが、事業所や工場など現場を見せることができない」と課題を挙げる。

 新型コロナの収束が見通せない中、非対面の選考が今後のスタンダード(標準)になるという見方も。村田製は「入社まで一度も直接会わない就活生が今後出てくると思う」と推測する。「時間的にも距離的にも制約がなくなる選考はフェアであり、マッチングの可能性も広がる」(堀場製作所)との意見は多くの企業に共通する。

 一方、リモート選考に戸惑う学生は多く、大学はサポートに注力する。京都産業大はウェブを活用した模擬面接や面談を4月から始めた。近況報告や助言を含めて1日10~20件程度対応し、学生の不安解消に努めている。

 大学には、学生優位の「売り手市場」が続いてきた就活戦線の変調に対する危機感もある。新型コロナで企業の業況が悪化し、新卒採用を絞る動きも出始めているためだ。京産大は面接対策の動画配信など情報発信にも腐心し、「学生には緊張感を持ってもらうと同時に、不安も和らげるアプローチが必要」(進路・就職支援センター)と説明する。