無人島に何か一つ持っていくとしたら、皆さん、どうされますか。「そうね、眉墨1本あれば女が保てるわ」「飢え死にするのはごめんよ。私はマッチね、火をおこして獲物を焼いたり、のろしを上げることだってできるもの」と千差万別。このテーマ、個性的な答えが出るうえ、人それぞれ生命力の強さを感じずにいられません。

 私は何を隠そう「炊きたてのごはん」。火がないとお米すら炊けないわけですからみんなに失笑を買うのはよくわかるのですが、あの馥郁(ふくいく)とした蒸れた甘い香りをかぐだけで幸福度が増す気がするのは私だけではないでしょう。おいしく炊けたご飯さえあればあとは何も要らないくらい、何ものにも変えられないおいしさです。

 待望の新米が出回り始めました。「ごはんおかわり!」のご家族の声が聞けるおかずを考えてみました。ぜひ左手にはピカピカのごはんを持って、召し上がってみてください。

小平泰子

こひら・やすこ 1977年京都市生まれ。旬の食材を使い、和食にとらわれず、食材の組み合わせの面白さを提案したレシピを考案。中京区烏丸三条と東京・日本橋で料理教室を開く。近著に「季節の野菜と果物でかんたんおつまみ」がある。インスタグラムはyasukokohiragokan