パリとの中継でカメラに向かい手を振る土屋住職(28日午前0時半)

パリとの中継でカメラに向かい手を振る土屋住職(28日午前0時半)

ハワイのラハイナ浄土院との中継も行われた(27日午後1時半)

ハワイのラハイナ浄土院との中継も行われた(27日午後1時半)

夜中の大方丈に「南無阿弥陀仏」の声と木魚の音が響く(29日午前0時40分)

夜中の大方丈に「南無阿弥陀仏」の声と木魚の音が響く(29日午前0時40分)

終幕の「結願」の法要。この直前に24時間ぶりに照明が点灯された(29日午後1時すぎ)

終幕の「結願」の法要。この直前に24時間ぶりに照明が点灯された(29日午後1時すぎ)

結願の法要を終えて参加者で記念撮影。笑みがこぼれる(29日午後1時40分)

結願の法要を終えて参加者で記念撮影。笑みがこぼれる(29日午後1時40分)

「24時間不断念仏会」に先駆けて行われた法要(9月27日午後0時50分ごろ、京都市上京区・清浄華院)

「24時間不断念仏会」に先駆けて行われた法要(9月27日午後0時50分ごろ、京都市上京区・清浄華院)

パリとの中継もあり、町の様子も映し出された(28日午前0時半)

パリとの中継もあり、町の様子も映し出された(28日午前0時半)

 「京都の中心で仏の名を称[とな]える」。そんなキャッチフレーズを掲げる法要「24時間不断念仏会」が9月下旬、京都市上京区の浄土宗大本山、清浄華院で営まれた。この法要は金曜日の午後1時から一昼夜にわたり、ただ「南無阿弥陀仏」と唱え続けるものだ。24時間念仏の声が途絶えないというお堂はどんな雰囲気なのか。会場の寺に向かった。
 24時間不断念仏会は東京の寺院と清浄華院が毎年、秋の彼岸直後に行っている恒例行事だ。今年で8回目を数えた。
 主催者の1人、観智院(東京都港区)の土屋正道住職(60)は「24時間不断念仏会はマラソンのように、長時間お念仏をすることが目的ではない。いつでもだれかがお念仏しているという、いわばお念仏のコンビニを目指すものです」と話す。
 9月27日午後0時半。平安時代作の阿弥陀如来像を祭る清浄華院大方丈には10人ほどが集まっていた。法衣姿の僧侶が多いかと思っていたが、平服の人が多く大半が一般参加者のようだ。
 午後0時45分、開幕の法要がスタート。午後0時58分、「南無阿弥陀仏」の連呼が始まった。照明が落とされた堂内には、木魚をたたく音と南無阿弥陀仏と唱える声が響くのみだ。
 この24時間不断念仏会に堅苦しいルールはない。正座でなくてもよく、あぐらでもOK。いす席も用意されている。さらに途中参加や中途退出はもちろん、30分だけの参加も可能だ。疲れてきたら用意されている控室で休憩してもよい。
 会場の様子はYouTubeで世界に配信されていた。土屋住職は「国内2カ所、海外5カ所でも同時間帯に念仏をしている場所があります。後で中継します」と話した。
 しばらくすると、ハワイのマウイ島にある浄土宗寺院、ラハイナ浄土院と中継がつながった。現地でも仏像に向かい念仏をしている様子が映し出される。約6千キロ離れていても、同じことをやっているという連帯感を味わえる。記者は2時間ほどの滞在でいったん中座した。
 28日午前0時すぎ上京区の寺町通を清浄華院に向かって歩いていると、遠くから「南無阿弥陀仏」と称える声と、ポクポクと木魚をたたく音が聞こえてきた。真夜中でも確かに念仏をやっている。大方丈の中に入ると、5人ほどが念仏を続けていた。未明の堂内は暗がりにろうそくの炎がゆらめき、荘厳な雰囲気に包まれていた。
 最初に会場を訪れてから24時間後の28日午後0時半、再び清浄華院に着いた。薄暗い大方丈には10人ほどが集い念仏を唱えていた。あと30分で終了だ。ラストを前に、控室で体を休めていた人が次々と戻ってくる。やがて20人ほどになり「南無阿弥陀仏」と木魚の音が次第に大きくなっていく。
 午後0時54分、24時間ぶりに照明が点灯された。5分後、「結願[けちがん]」と呼ばれる終幕の法要がスタート。南無阿弥陀仏の連呼は終わった。
 27日午後9時すぎから16時間にわたり念仏に参加したという楠健治さん=滋賀県草津市=(50)は「こんなに長時間、木魚をたたいたのは初めて。途中、疲れて木魚を空振りすることもあったが、今は目が覚めてすっきりした気分です」と話した。