京都市に届けられた「アベノマスク」。生徒児童用に確保するという(京都市内)

京都市に届けられた「アベノマスク」。生徒児童用に確保するという(京都市内)

 「アベノマスク」を寄付したい-。京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」に、こんな声が複数寄せられた。医療物資の寄付を募っている自治体や医療団体に聞くと、京都市と京都府は受け付け、学校や福祉施設向けに活用していく、という。ただ日本赤十字社府支部は「遠慮」する姿勢で、布マスクは医療現場で使えないことも背景にある。

■「もったいない」の輪広げて

 布マスクは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、政府が全国約5千万世帯に配布を決めた。府内では5月13日から届き始めたが、一時のマスク不足は改善され、安倍首相と同じようなマスクを付ける人の姿は、ほとんど見掛けない。多くが自宅に眠っているとみられ、読者から「寄付先を教えて」(中京区の55歳女性)との声が本紙に寄せられた。
 京都市は、これまで医療用マスクなど計約72万枚の寄贈を受け、医療機関などに提供してきた。自宅に届いた布マスクについても5月末までに約10件の相談があり、計4枚が届けられた。

 主な使い道は、1日から再開した学校現場。マスクを忘れたりした児童生徒などに手渡す。市教委は「学校用に不織布マスク31万枚を確保したが、『第2波』で再び入手困難になる恐れがある。多すぎて困ることはない」と感謝する。
 府にはまだ問い合わせはないが、希望があれば受け付ける方針。福祉施設への提供を検討し、「施設の入所者や職員用を想定している」という。

 ただ、府、市とも寄付の主目的である医療現場への提供は「難しい」と口をそろえる。布マスクの能力では、医師や看護師が使えないためだ。日本赤十字社府支部は「寄付に対応する予定はない」、京都市も「布マスクを積極的に募集しているわけではない」という。
 全国では、自治体が投票箱を置いて寄贈を呼び掛けたり、徳島市の企業は布マスクの無料藍染め体験会を始めたりするなど、積極的に活用策を探る動きもある。

 われわれの税金約260億円を投じた布マスク。「小さい」「暑い」といった不評の声も上がるが、捨てられてしまえば完全に無駄となる。京都でも「もったいない」の精神で、活用の輪を広げてほしい。

■布マスクの寄付の仕方

 【京都市】新型コロナウイルス感染症対策本部物資調整班が窓口。ホームページに記載されている同班のメールアドレスか、ファクス075(212)6790で連絡する。業務に支障が出るため「電話は避けてほしい」(同班)という。

 【京都府】医療資材コントロールセンターに電話075(414)5908し、府庁や振興局などに郵送、持参する。

 府市とも未開封のマスクに限る。