会津小鉄会傘下の暴力団事務所前で警戒にあたる京都府警の捜査員ら(2017年2月7日午前9時5分、京都市伏見区)

会津小鉄会傘下の暴力団事務所前で警戒にあたる京都府警の捜査員ら(2017年2月7日午前9時5分、京都市伏見区)

 指定暴力団六代目会津小鉄会(京都市下京区)が7日、後継会長選びを巡って分裂した。傘下団体の幹部2人がそれぞれ「7代目」を名乗る異例の事態となり、山口組と神戸山口組の「代理戦争」の様相もはらむ。事務所周辺の住民の不安は高まっており、京都府警は実態把握を進めるとともに、弱体化に向けた取り締まりを強化する。

 「学生のまちの雰囲気を壊さないでほしい。市民に危害が及ばないか心配」。会津小鉄会傘下「心誠会」(伏見区)近くの70代女性は、府警機動隊らによって厳戒態勢となった龍谷大周辺の様子に不安を隠せなかった。
 捜査関係者によると、心誠会会長は7日朝、同会事務所で「7代目」に名乗りを上げたという。山口組系の複数の組員らが出入りする中、近隣の小学校の児童は、集団登校の集合場所まで警察官に付き添われ、教員と学校に向かう場面もあった。
 一方、1月21日には会津小鉄会傘下「いろは会」(左京区)事務所で、同会会長を「7代目」とする式がすでに開かれており、府警は分裂による組員の動向など情報収集を急いでいる。
 会津小鉄会は、山口組組長の出身母体「弘道会」(名古屋市)と、神戸山口組の主要団体「山健組」(神戸市)の両組織とつながりが深かった。
 しかし、山口組分裂後は不安定な状態が続いていた。府警に詐欺容疑で逮捕された6代目会長=同罪で実刑判決=が昨年末、公判で引退の意向を示して以降は後継を巡って内紛が顕在化。1月上旬、神戸山口組寄りとされる6代目会長に代わり山口組派とされる心誠会会長を7代目とする文書が出回った。直後に6代目会長名で文書の内容を否定し、心誠会会長らを「絶縁処分」とする書面も流れた。混迷の末、山口組系と神戸山口組系の組員が会津小鉄会本部事務所で衝突する事態となった。
 山口組分裂を背景とする事件は全国で相次ぎ、京都では昨年3月、山科区の神戸山口組系の組事務所が銃撃された。翌月には宇治市で、組員の引き抜きを巡る乱闘もあった。会津小鉄会の内部対立が「代理戦争」に発展する可能性もあり、府警は各組事務所を24時間態勢で警戒している。また、暴対法に基づく新たな指定が必要か検討する。
 1995年、左京区で、会津小鉄会系の組事務所を警戒中の警察官が山口組系組員に射殺された。翌年、八幡市内の理髪店で、会津小鉄会系と中野会(事件後に山口組から破門)の組員同士が撃ち合い、2人が死亡するなど抗争事件の舞台にもなった。府警暴力団対策室は「住民や通行人の不安感を払拭(ふっしょく)し、安全確保に努める」としている。