災害に備え土のう作りの訓練に励む地域の消防団員ら(長岡京市)

災害に備え土のう作りの訓練に励む地域の消防団員ら(長岡京市)

 京都府内の消防団で、団員不足が深刻化している。全26市町村のうち、22市町村で計約2千人が足りず、定数削減や分団の再編を余儀なくされている地域も出ている。過疎と高齢化が進む北部や山間部ほど深刻で、台風や豪雨が近年多発する中、現場にいち早く駆け付ける消防団員の確保が課題となっている。

 府が今年に実施した調査によると、府内で団員の定数を満たしていたのは城陽市(定数275人)、向日市(150人)、長岡京市(150人)、久御山町(195人)の4市町のみ。充足率が最も低かったのは南山城村の65%で、定数200人に対し実数は130人。府内最大となる定数4970人の京都市消防団は、学生や女性団員が加入し総数は増加傾向にある一方、225分団のうち147分団で計406人が不足していた。
 特に深刻なのが、過疎と高齢化が進む地域だ。昨夏の西日本豪雨で土砂崩れや浸水被害が相次いだ府北部では、全7市町で定数を下回った。定数2160人の福知山市では、29分団全てで計420人が不足。同市消防本部では分団内の班の統合を進め、定数削減も検討中という。担当者は「消防署から離れた山間部では、初動は消防団に頼らざるを得ない。水害で孤立する地域もあり、今後も減少が続けば従来の活動体制が維持できない可能性もある」と危機感を募らせる。
 4分団を抱える和束町は、定数276人のうち96人が不足する。同町によると、分団を地域で細分化した15部のうち2部が団員が集まらず休部中。3年前に町職員16人による部隊を結成したほか、災害や火災時は近隣の分団が対応しているが、若者の転出が進み地域防災力の低下が懸念されている。 

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 消防団の確保に向け、市町村は対策を進めている。京都市や福知山市など府内6市町が、広報や避難所運営など任務を限定して負担を少なくした「機能別団員」を導入した。学生が就職活動でアピールできる活動証明書を発行する「学生消防団活動認証」は、12市町が実施している。
 綾部市や福知山市、京丹後市と宇治田原町、与謝野町は、登録店が団員に料金割引などの特典を提供する「京都府消防団応援の店」を実施。府もチェーン店などに協力を呼び掛け、登録店が一覧できるサイトを11月に開設する。
 また、府は西日本豪雨の教訓を踏まえ、水害や土砂災害の危険が迫った際に住民が地域に避難を呼びかける「災害時声掛け隊」を創設。本年度からの5年間で計500人の養成を掲げ、消防団の活動が手薄な地域から、年内にも避難の重要性を学ぶ講座を開催する。
 府防災消防企画課は「地域によっては団員の確保が難しく、別の形で補完する必要がある。声掛け隊などで防災に関わっていく住民を増やしたい」としている。