京都大

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 腎臓病の経過を予測するために有効な新たな手法を見つけたと、京都大のグループが発表した。腎臓の障害に伴ってできたリンパ組織の変化を観察し障害の程度を診断することへの応用が期待できるという。国際学術誌「キドニー・インターナショナル」にこのほど掲載された。

 高齢者の腎臓病では、障害に伴って新たにできたリンパ組織が、炎症を悪化させて修復を妨げることが知られている。しかしリンパ組織が障害の悪化に伴ってどのように変化するか、詳細は不明だった。
 医学研究科の柳田素子教授と佐藤有紀助教らは、腎細胞がんや腎盂(じんう)腎炎の患者計85人から採取したリンパ組織838個を観察。その結果、障害の進行に従ってリンパ組織に集まる細胞の種類が変化することを突き止めた。さらにマウスを使った実験で、免疫抑制剤を投与するとリンパ組織が縮小して障害は改善し、腎機能も回復することを確認した。
 柳田教授は「腎臓病の経過を見極めることは難しい。リンパ組織の状態が一つの目安になるかもしれない」と話している。