―ワクチンは世界規模で開発競争が激化しています。国産ワクチンの意義とは何でしょうか。
 「男女差や人種、年齢などで罹患(りかん)率が異なるかどうかなど、新型コロナの特徴は正確に解明されていない。その辺りがよく分からない中でワクチン開発を進めようとすると、まずは日本で広がっている感染症に対し、国家プロジェクトとして進めることに科学的な意義がある。われわれのDNAワクチンに限らず、どの技術も可能性があるならば最大限進めるべきだ」

―アンジェスは来春の実用化を目指しています。ワクチンの普及までにはどのくらいの時間が必要と考えていますか。
 「一般の方がインフルエンザのワクチンのように今後使われるようになるには、2、3年はかかると思う。感染拡大の第2波や医療崩壊の懸念がある以上、初めは医療従事者向けなどの条件付きで緊急使用されるのではないか。それは政府が決めることであり、議論の窓口はあくまで大阪大側だ」
 「2021年度以降についても、ワクチン増産の検討を当然進めていかなければならない。大腸菌を培養するタンクを増設すれば可能で、1、2年で十分に対応できる。治験の結果を見ながら、計画を作り上げていく」