彦根市漁業協同組合連合会が養殖に取り組んでいるスッポン(彦根市八坂町)

彦根市漁業協同組合連合会が養殖に取り組んでいるスッポン(彦根市八坂町)

スッポンを育てている養殖池。以前はアユを育てていた(彦根市八坂町)

スッポンを育てている養殖池。以前はアユを育てていた(彦根市八坂町)

 滋賀県彦根市漁業協同組合連合会が県内で初めてスッポンの養殖に取り組んでいる。水質調整など効率的な養殖法を探っているが、3年目を迎えた今期は順調に育っており、特産化に向けて関係者の期待が高まっている。

 同市八坂町の琵琶湖沿いにある養殖場は、同漁協が借用する県の土地に1990年に整備。当初はアユの養殖を行っていた。しかし、翌年に感染症の冷水病が海外から広がって死ぬケースが増えた。薬剤の費用がかさんだこともあって規模を縮小。完全に養殖を取りやめた2005年以降は事実上、10年以上放置された。
 スッポン養殖は、施設の活用とアユに代わる名物の開発を目指す試み。琵琶湖周辺の縄文中期の貝塚ではスッポンの骨が見つかっており、かつて重宝された食材の「復活」につながる。魚の養殖のようにポンプで水中へ酸素を送る必要がなく、電気代が抑えられる利点もある。
 連合会は17年12月に7、8グラムのスッポンの子ども約500匹を購入。四つある養殖池のうちの一つで育て始めた。当初は死ぬ個体が多かったが、池に鶏ふんや石灰をまいて細菌を食べるプランクトンが夏季以外も発生しやすいようにしたり、大きさごとに水槽を分けて共食いを防いだりする工夫を重ねた。昨秋追加した500匹は、ほとんどが順調に成長しているという。
 今年は4月中旬に冬眠を終え、池のへりに置いた餌を求めて顔を出す元気な姿がみられている。体重1キロほどに育てば1匹4千~5千円で市場に出せるといい、来年秋の初出荷を見込む。
 サプリメントの加工用とするのも選択肢の一つで、品質がいいものを料理用に回したい考えだ。北川勇会長(45)は「既に市内の飲食店から問い合わせがあり、地元からの期待は大きい。特産化を通じて安定収入につなげたい」と話す。