京都市の集客施設や飲食店で運用が始まった「あんしん追跡サービス」に登録する女性(同市左京区・京都伝統産業ミュージアム)

京都市の集客施設や飲食店で運用が始まった「あんしん追跡サービス」に登録する女性(同市左京区・京都伝統産業ミュージアム)

京都市が始めた追跡サービスのイメージ

京都市が始めた追跡サービスのイメージ

 京都市は今月から、新型コロナウイルスに感染した人と同じ施設を利用した人にメールで通知する「あんしん追跡サービス」の運用を始めた。感染者との接触の可能性を知らせることで、感染拡大を抑える狙い。ただ、サービスへの登録は任意で、通知では接触した施設名や日時は明記されない。どこまで利用を広げ、実効性を持たせられるかが課題となりそうだ。


 サービスは、市内の店舗や集客施設のほか、一時的なイベントが対象。市が発行したQRコードを施設の入り口などに掲示し、訪れた人がスマートフォンでQRコードを読み取って、訪れた日時とメールアドレスを登録する。同じ日に施設を利用した人が感染していた場合、自分に症状が出た際は保健所などに相談するよう促す通知が送られる。
 3日午後5時時点の利用施設数は389軒(うち市の公共施設は199軒)で、登録者は208人。利用施設の一つである京都伝統産業ミュージアム(左京区)を3日に訪れ、登録した看護師の女性(69)=北区=は「自分が感染を広げるのは嫌なので連絡があるのはうれしいが、高齢者は登録の操作が難しいのでは」と話した。
 同様のサービスは大阪府や神奈川県なども導入するが、運用には課題も多い。通知では、風評被害の恐れがあるとして、クラスター発生時を除き、施設名や利用日時は明記されない。複数の施設で登録した人は、どの施設か分からず混乱が生じる可能性もある。また、プライバシーの観点から、氏名や電話番号は収集せず、メールアドレスも1カ月で消去されるため、利用者に注意を促す以上の追跡は難しいという。
 市医療衛生推進室は「利用拡大や運用には難しい点も多いが、利用者に注意喚起ができ、感染の全貌が前よりはつかみやすくなる」とし、民間事業者や市民に利用を呼び掛けている。