腰まで湖に漬かり、神事を行う井口宮司。厳かな儀式を氏子らが浜辺で見守った(昨年12月8日、滋賀県野洲市・マイアミ浜沖)

腰まで湖に漬かり、神事を行う井口宮司。厳かな儀式を氏子らが浜辺で見守った(昨年12月8日、滋賀県野洲市・マイアミ浜沖)

楼門から紅白の提灯が連なる参道を初詣の参拝者たちが行き交った(滋賀県野洲市五条・兵主大社)

楼門から紅白の提灯が連なる参道を初詣の参拝者たちが行き交った(滋賀県野洲市五条・兵主大社)

 白装束に身を包んだ宮司が、一人厳寒の琵琶湖へ。一歩、一歩と沖に向かい、腰まで水に漬かる。穏やかな青空を映す湖面とはうらはらに、水は身を切るように冷たい。

 滋賀県野洲市中主地域。昨年12月にあった兵主大社(同市五条)の「八ケ崎(やつがさき)神事」は琵琶湖を舞台に行われた。井口昌宏宮司(60)が境内近くの川を船で下り、神事に臨んだ。

 祭神が対岸から亀に乗って琵琶湖を渡って来たという伝承に基づいて毎年、行う。ご神体を湖水で清め、神霊の再生を祈る。浜辺では、氏子たちが寒々しい光景を見守った。

 大社は2018年に鎮座1300年を迎えた。中世には武士から崇敬を集め、現在でも地域の信仰は根強い。年が明けて正月。多くの家族連れが楼門をくぐり抜け、初詣に訪れた。絶え間ない人の流れが境内を往来していた。

 井口宮司は「1301年の新しい年が始まった。連綿と受け継がれた歴史をこれからもつなげていきたい」と語る。年末から新年へ、厳かな営みは続く。