トランプ米大統領はゴルファーなので、ご存じであろう。クラブの打球面につけた傾斜角を、ロフトという。地面に対して垂直な状態から傾けば傾くほど、ボールは高く舞い上がる▼バンカーや池といった障害物を飛び越え、狙ったところに落としやすい。2日、北朝鮮から島根県・隠岐諸島の沖合に飛んできたミサイルは、角度をつけた「ロフテッド軌道」を描いた▼朝鮮中央通信は、新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の実験に成功した、と伝えた。専門家は、日本全域が射程に入るという。国連安全保障理事会決議に違反する行為といえる。認めるわけにはいかない▼ところが、度重なる試し撃ちにもトランプ氏は「短距離なので、(金正恩朝鮮労働党委員長の)信義違反とはみなさない」と容認する▼移動する潜水艦から発射できるのなら、長距離と変わらなくなる。どこからショットしてもよいのと同じである。今回落下したのは、日本の排他的経済水域(EEZ)内とみられる。打ち込んではいけないところなのに、罰を科さずによいのか▼ゴルフのルールが今年変わったといっても、そこまで大幅ではないのを思い出すべきだ。実務者協議が始まる北朝鮮との非核化交渉を、大統領再選につなげたいのだろうが、無理が通れば道理が引っ込む。