新型コロナウイルスの影響が続く中、2021年春卒業予定の大学生らを対象にした採用面接などが1日から解禁された。

 3月以降の会社説明会が相次ぎ中止になるなど、今年の就職活動は環境が一変している。主要企業の多くはインターネットを介したオンライン選考を導入した。感染リスクを避けるのが狙いだ。

 実施企業からは地方の学生の応募が増えたとの声が出ている。交通費や移動の時間をかけずに面接に臨めるなど、学生にも利点は多い。

 ただ、画面越しで進む選考には企業、学生双方に戸惑いがある。オンライン就活が今後の主流となるかは、十分に意思疎通を図れる仕組みにできるかが鍵になろう。

 京都や滋賀でも、大手・中堅企業を中心にオンラインでの採用選考が進んでいる。京都新聞社が京滋企業137社を対象に行ったアンケートでは、回答した94社の43%がすでにウェブ面接などを実施していた。実施予定を加えると62%に上る。

 一方で、オンラインでは相手の細かな反応を読み取ることが難しいとの指摘がある。学生からは一度も職場を見ないまま選考が進むことへの不安の声もある。

 就職情報会社の3月の調査では、全ての選考をオンライン化しても構わないとする学生は16%にとどまり、8割超が少なくとも最終面接は対面を希望した。

 互いの理解が深まらないまま採用に至れば、内定辞退や早期離職につながりかねない。

 企業は、職場の雰囲気を含めて就活生に丁寧に情報提供する必要がある。オンラインでの面接時間を増やすほか、感染対策を十分にとった上で対面する機会を設けることも重要だろう。学生も、分からないことは積極的に企業へ伝えるようにしてほしい。

 人手不足を背景に近年は学生優位の「売り手市場」が続いたが、今年はコロナ禍で事業の先行きが見通せず、採用活動を中断する企業も出始めている。就職を希望する学生にとっては深刻な問題だ。

 一方、中小企業の合同説明会が縮小されたことで学生の人気が有名企業に集中しているとの指摘もある。就活の長期化で、大手企業の後に採用活動が本格化する中小への影響も懸念されている。

 選考の機会を広げるためには、企業が通年採用や既卒者採用を拡大することも重要になろう。その際も、学生らへの迅速な情報提供に努めなければならない。