総務省が、過去に過度な返礼品競争をしていたとして、ふるさと納税の新制度から大阪府泉佐野市を引き続き除外すると決めた。

 泉佐野市の除外については第三者機関「国地方係争処理委員会」が総務省に対し、過去の行為で除外したのは新制度を定めた改正地方税法に違反するおそれがあるとして再検討を勧告していた。

 総務省の除外継続の決定は、係争委の勧告を無視するに等しい。

 泉佐野市の豪華返礼品に、ふるさと納税制度の趣旨をゆがめかねない問題があることは確かだ。

 係争委は、国が自治体を規制する際の公平性を求めた。それに従わない総務省の姿勢は、第三者機関が何を言おうと、国の方針に逆らう自治体には罰を与えると宣言したようにみえる。国の押しつけ的な手法がまかり通るきっかけにならないか危惧する。

 泉佐野市はふるさと納税の寄付に関する法規定がなかった昨年11月~今年3月、ギフト券などを贈り332億円を集めた。

 総務省は、返礼品を「寄付額の30%以下の地場産品」にすることを求め、これに従わなかったとして泉佐野市など4市町を6月から始まった新制度から除外した。

 総務省は、新制度への参加を認めるかどうかを判断する際、過去の不適切な寄付集めを考慮するのは自治体間の公平性を確保するために必要で「適法」とした。

 だが、法規制がなかった時期に自分たちの要請に応じなかったとしてペナルティーを与えながら、自らは係争委の勧告に耳を傾けないというのは説得力に欠ける。恣意(しい)的と言われても仕方ない。

 そもそも係争委は、国と地方の関係を「上下・主従」から「対等・協力」に転換させた地方分権の流れの中で設けられ、総務省の前身である旧自治省も関わった。

 その総務省が係争委の勧告をないがしろにする態度をとった意味は重い。今後、仮に自治体と争った省庁に不利な勧告が出ても、自治体側の声が黙殺されることにならないだろうか。地方分権の理念を揺るがす、あしき前例をつくったと言わざるをえない。

 泉佐野市は総務省の決定の取り消しを求めて提訴するというが、なりふり構わぬ手法で寄付を集めたやり方には、係争委も「是正が求められる」と批判した。

 総務省と泉佐野市は、解決に向けた話し合いをすべきである。同時に、ふるさと納税が返礼を前提にした制度のままでいいのかどうか、国民的議論も深めたい。