京都サンガのプレシーズンマッチで新スタジアムを埋めるサポーター。27日のリーグ戦再開直後は無観客となり、クラブの試練は続く(2月9日、亀岡市・サンガスタジアム京セラ)

京都サンガのプレシーズンマッチで新スタジアムを埋めるサポーター。27日のリーグ戦再開直後は無観客となり、クラブの試練は続く(2月9日、亀岡市・サンガスタジアム京セラ)

無観客で行われたBリーグ1部の京都ハンナリーズの試合。来季の興行形態はまだ見えない(3月14日、京都市右京区・ハンナリーズアリーナ)

無観客で行われたBリーグ1部の京都ハンナリーズの試合。来季の興行形態はまだ見えない(3月14日、京都市右京区・ハンナリーズアリーナ)

 新型コロナウイルスの感染拡大で、京滋のプロスポーツクラブの運営にも甚大な影響が生じている。サッカーJ2京都サンガFCは、京都府亀岡市に新スタジアム「サンガスタジアム京セラ(府立京都スタジアム)」が完成した矢先にリーグが中断。バスケットボールのBリーグ1部(B1)の京都ハンナリーズ、滋賀レイクスターズは、3月末にシーズン途中で終了となった。各クラブは収益面の不安を抱えつつ、ファンや地域とのつながりを深める取り組みを模索。収束が見通せない中、我慢の日々が続く。

 27日に再開が予定されているJ2。約4カ月間のリーグ中断は京都サンガFCにも大きな打撃を与えた。「全ての収入が断ち切られたが、仕方がない。今は耐えしのぐ時」。伊藤雅章社長(62)は胸の内を明かす。

 「新スタジアム元年」の今季は、昨季より多い1試合平均9千人以上の観客動員を目標に掲げた。年間パスは前年比7割増の売り上げで、お披露目となった2月のプレシーズンマッチには約1万8千人が詰め掛けるなど、期待値は高かった。それから一転、第1節のアウェー戦後の2月末に中断が決定。第2節のホーム開幕戦は目前で延期となり、入場料収入はゼロに。再開後も入場制限が考えられ、伊藤社長は「出鼻をくじかれてつらい」。営業収益(昨季は約20億9千万円)の約65%を占めるスポンサー収入も減収の見通しで、黒字を見込んでいた今季の経営計画も赤字転落を予想する。

 そんな中、サンガはホームページでスポンサー情報を発信し、選手もオンラインでサポーターとの交流を続けた。「地域のために」と新規契約や増額を申し出るスポンサーも出ているという。伊藤社長は「今後はクラブの公共性を打ち出す」とし、新たにリユース食器の活用など行政課題にも協力していく考えを示す。「コロナが早く収束し、J1に行く瞬間を多くの人と迎えたい思いは変わらない。安全な運営を心がけ、リーグ再開へ準備したい」と前を見据える。

■ファンド活用・スポンサー露出 新しい打開策 模索

 競技熱の高まりで、順調に収入を伸ばしてきたBリーグ。無観客試合を経て、シーズンの約3分の1となる19試合を残して終了となった。

 今季、過去最高タイの西地区3位と躍進し、観客増も見込まれていたB1滋賀レイクスターズは、営業収入が当初予想より約1億円減り、見込んでいた3千万円の収益がなくなった。坂井信介会長(51)は「来季は我慢の年になる」と神妙に語る。

 坂井会長は、来季以降も無観客試合など興行形態が変わると予想。2012年に設立した「公益財団法人滋賀レイクスターズ」によるファンドを活用し、寄付金を湖国のアスリートだけでなく、クラブ支援にも充てる道を探る。「地域アイデンティティーを高め、地域に還元するクラブの役割を誠実にやりとげたい」と力を込める。

 入場料収入やスクール収益などすべてがストップしたB1京都ハンナリーズも、今後の興行形態に不安を抱える。昨季の営業収入(約5億3700万円)に占めるスポンサー収入の割合は59.7%と、B1の18チーム中5番目に高い。来季、無観客試合になれば、スポンサーの露出方法にも工夫が迫られ、高田典彦社長(51)は「われわれがどういう提案ができるか。新しいチャレンジが迫られている」と模索が続く。