京都府綾部市内では初めてふ化が確認されたコウノトリのひな(中央)と親鳥=綾部市提供

京都府綾部市内では初めてふ化が確認されたコウノトリのひな(中央)と親鳥=綾部市提供

 京都府綾部市内で営巣していたコウノトリのペアに、1羽のひなが誕生した。綾部市がこのほど発表した。ひなのふ化は同市初で、府内の自治体では京丹後市に続いて2例目。ひなは羽ばたきの練習をするなどすくすくと成長し、観察する住民らは巣立ちの日を楽しみにしている。

 綾部市が兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)に確認したところ、親鳥はともに3歳で子育ては初めてという。3月下旬に電柱の上に巣を作り、子育ての期待が高まっていた。5月16、17日、ひなに餌を与えるため巣の中へ餌を吐き出し、食べ戻す行動を観測。20日にはひなの姿も確認され、ふ化が認められた。

 ひなは現在、白と黒の羽毛が生え、遠目でも姿が見えるほどに成長。時折羽ばたき、元気な姿を見せている。観察を続ける児玉裕美さん(57)=綾部市高津町=は「最初の子育てはうまくいかないという例も聞いていた。無事に育ってほしい」と話す。

 同公園によると、府内でのふ化は、京丹後市以外では初めて。巣の外に着地する「巣立ち」にはふ化から平均で69日かかるといい、「独り立ちにはさらに時間がかかる。長い目で見守ることが大切」。

 コウノトリは国の特別天然記念物で、市は巣の近くに看板を立て、観察や撮影は200メートル以上離れてすることや餌付けをしないよう呼び掛けている。「市としても初めての経験。根付いてもらえるように、守ってもらいたい」としている。