男子シングルス決勝 水谷と激しいラリーを展開する大島(丸善インテックアリーナ大阪)

男子シングルス決勝 水谷と激しいラリーを展開する大島(丸善インテックアリーナ大阪)

 卓球の全日本選手権最終日は20日、大阪市の丸善インテックアリーナ大阪で行われ、男子シングルス決勝で大島祐哉(木下グループ、東山高―早大出、綾部市出身)は2―4で水谷隼(木下グループ)に敗れ、初優勝はならなかった。

 うつむく大島に対し、水谷が健闘をたたえて肩を抱いた。ダブルスではペアを組む2人。世界ランキング33位の大島は初となる決勝の大舞台で、10度目の優勝が懸かるリオデジャネイロ五輪銅メダリストに一歩も引かず打ち合った。「すごく悔しい。2位では意味がない」。試合後、厳しい言葉を並べた。

 日本選手屈指の威力を誇るフォアの強打。この武器を要所で出して第1ゲームを先取したが、徐々に水谷に的確にレシーブされリズムがつかめなかった。「台上の技術で崩された。ボールの威力よりコントロールでやられた」。3ゲームを連取された後、第5ゲームを奪い返す意地を見せたが、届かなかった。

 4時間前の準決勝では世界ランク3位で前回王者の張本をフルゲームの末に破る金星を挙げ、衝撃を与えた。張本が得意とするバックハンドを封じるため、フォアの打ち合いに持ち込んだ。多彩なサーブも効果的。先行する展開に持ち込み、「先にゲームを取り、精神的に優位に立てた」と勝因を語る。

 10代から活躍する選手が多い卓球界で、大島は20歳を過ぎて頭角を現した。東山高時代に全国で目立った成績は残せなかったが、少年期に陸上競技で培った身体能力の高さに技術がミックスし、才能が開花。水谷も「バックハンドがうまくなっているし、非常に戦術の幅が増えている」と大島の成長を認める。

 東京五輪の代表争いでアピールが不可欠なシングルスで今回準優勝した意義は大きい。「世界トップの力がある張本選手に勝ったのは、自分の卓球が世界に通用する自信になる。自信と悔しさを持って練習したい」。24歳、まだまだ伸びしろはある。

 ■母校後輩ら後押し

 今大会は例年の会場だった東京体育館が東京五輪に向けた改修のため大阪で初開催され、大島の母校・東山高の関係者や家族が応援に駆けつけた。大島がポイントを取ると卓球部の後輩らが声援を送った。3年の竹内佑は「フォアハンドのパワーがすごかった。自分も決勝の舞台に立ちたい」と目を輝かせ、恩師の宮木操監督は「頭のいい選手で、相手を研究して戦略を考えている」とたたえた。大島の両親も訪れ、父の浩樹さんは「決勝まで見せてもらい、お疲れ様と言いたい。東京五輪に向けて頑張って」とエール。大島は「いろんな方に応援して頂き、感謝している。家族に金メダルをかけてあげられず残念」と語った。