休館中の返却などで、本棚に入りきらなくなった書籍。長机や棚を置くなどして、配架スペースを確保している(向日市図書館)

休館中の返却などで、本棚に入りきらなくなった書籍。長机や棚を置くなどして、配架スペースを確保している(向日市図書館)

 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の解除に伴って、利用再開が始まった各地の図書館では、容量を超えた蔵書が館内にあふれている。各館の本棚は、利用者への貸し出しを見込んだ上で配置されているため、長期の休館中に返却や購入図書の増加だけが続いた状況下では、新たにスペースを設けるなどの対応に迫られた。「3密」の防止策を含め、宣言解除後も経験したことのない業務に追われている。

 京都府向日市寺戸町の市図書館では、貸し出しの中止や制限を行っていた休館中も返却は続き、通常の1~2割ほど多くの書籍が集まった。館内の本棚は、利用者への貸し出しを見込んだ上での容量しかなく、すぐに満杯に。新たに長机などを設置し、入りきらない本を並べて対応した。
 長期滞在や密集をさけるためにいすを撤去するなど、以前とは異なる風景が館内に広がっている。同館は「利用者の皆さんには、ご不便をかけてしまうが、ご理解とご協力をお願いしたい」としている。
 府図書館等連絡協議会長の安田美樹・宇治市中央図書館長によると、各館で起きている現象という。市民からのリクエストなどで新たに購入した書籍の増加が重なるケースもある。同館でも書庫内に山積みになるほどの書籍が集まったため、新たに配架スペースを設けた。
 同館では、本の通常貸し出しを再開した今月2日には、通常の2倍にあたる1日約2400冊を市民が借りていくなど、再びにぎわい始めている。感染症対策を含めて多忙な日々が続くが、安田館長は「図書館は、多くの市民に本を読んでもらってこそ価値がある。うれしい大変さともいえる」として、利用を呼び掛けている。