周囲と見分けがつきにくいチドリの卵=日本野鳥の会京都支部提供

周囲と見分けがつきにくいチドリの卵=日本野鳥の会京都支部提供

鴨川の中州に生息するイカルチドリの親子。色や模様が周囲の石などと似ており、人が踏んでしまう恐れがある=日本野鳥の会京都支部提供

鴨川の中州に生息するイカルチドリの親子。色や模様が周囲の石などと似ており、人が踏んでしまう恐れがある=日本野鳥の会京都支部提供

チドリの存在を知ってもらおうと、日本野鳥の会京都支部はちらしを作って注意を呼び掛けている

チドリの存在を知ってもらおうと、日本野鳥の会京都支部はちらしを作って注意を呼び掛けている

 京都市内を流れる鴨川(賀茂川)の中州などで、春から夏にかけて繁殖するチドリの保護活動に、日本野鳥の会京都支部(事務所・京都市南区)が力を入れている。卵やひなの色が石や砂利に似ており、川で遊ぶ人が気付かず踏む危険性もあるため、「子育て中のチドリが驚かないように注意してほしい」と呼び掛けている。

 チドリは「鴨川をどり」の時期に先斗町を彩る堤灯や、鴨川の飛び石のデザインになるなど、鴨川を代表する鳥の一つ。
 同支部は鴨川と高野川で生息調査を実施。中州や、岸と地続きの寄州で、府の準絶滅危惧種に指定されているイカルチドリ(全長約19~21センチ)と、小ぶりのコチドリ(同約14~17センチ)の2種類を確認している。3月から7月にかけて産卵し、ひなを育てるが、個体数は減少傾向にあるという。チドリにとってはカラスなどの天敵や大雨での増水に加え、中州に立ち入る人や散歩中の犬も危険な存在だ。卵やひなは、外敵から身を守るため、色や模様が周囲に溶け込んでいる。人が気付かずに踏みつぶす危険があり、親鳥が驚いて巣を離れることもあるという。
 同支部は昨年の繁殖期から府の許可を得て北区内の中州に注意看板を設け、今季は周知のちらしも作った。新型コロナウイルスの影響で大型連休中などは、遠出する代わりに鴨川で遊ぶ親子連れらの姿が目立ったため、支部会員が現場に赴き、中州になるべく入らないよう理解を求めたという。
 同支部保護部スタッフの西村雄二さん(65)らは「鴨川は市民の憩いの場で、人とチドリとの距離が近くなるのは仕方ないが、少しでも注意してくれたらありがたい」と話し、「人と共存できる環境づくりのためにも、まずはチドリの存在を知ってほしい」と呼び掛けている。