助手(志尊淳=右)と相棒を組む由利(吉川)。愛宕念仏寺(右京区)で撮影した一場面

助手(志尊淳=右)と相棒を組む由利(吉川)。愛宕念仏寺(右京区)で撮影した一場面

 ロックミュージシャンで俳優の吉川晃司(54)が京都を舞台にした探偵ドラマの主演を務めた。火曜夜9時(全5回)に放映中の関西テレビ制作のホラーミステリー「探偵・由利麟(りん)太郎」。横溝正史の小説を原作に、吉川演じる由利麟太郎が怪事件を解決する。太秦の東映京都撮影所を拠点に収録に臨んだ吉川は「光や陰影、歴史を重ねた奥深さが映像に出るのが京都ならでは。これからも京都で作品を撮りたい」と語る。

■趣ある建物 空気で立体感

 東映京都のスタジオに、京町家風の内装のセットが作られた。京都のまちなかの骨董(こっとう)品店を間借りしたという設定の由利の部屋。ドラマはスタジオ収録と、京都を中心にした屋外でのロケ撮影を組み合わせた。

 「ミステリー色の強い作品なので、趣のある建物や風景が大事。京都は、なんでこんなところに洋館があるの、とか不思議な建物が多くあって、そこに浮遊する空気で立体感を出せる。僕自身、京都で撮ろうよって提案したんです」と吉川。

 原作の横溝は「八つ墓村」「犬神家の一族」の金田一耕助シリーズで知られる。由利麟太郎の小説の舞台も昭和だが、ドラマでは現代の京都に置き換える。

 警視庁捜査1課長だった由利(吉川)は、ある事件をきっかけに警察を退職。学生時代を過ごした京都で犯罪心理学者をしながら、警察からの依頼で捜査を手伝う。謎の多い事件現場をひたすら観察し、わずかな違和感を冷静に見極める役柄。「自分は本来、けっこう雑な方。(今回の役では)細かいところまできっちりしないといけないと、すごく意識しました」

 歌手としても俳優としても、孤高な印象の強い吉川。「やはり音楽では風を切って風上に立つみたいなところはやっている。特にロックミュージシャンは孤高を気取らなければいけない。右向け右と言われたら左を向け、体制にはかみつく、というのは大事なところですから」。出演ドラマ「下町ロケット」、映画「必死剣 鳥刺し」「るろうに剣心」でも「キャラクターとしてはいつも『孤』。何にも属さず、一人違う方向を向くような役が得意」だった。