向日神社で撮った弓道の場面(向日市)

向日神社で撮った弓道の場面(向日市)

 しかし今作では、ミステリー作家志望の助手(志尊淳)と相棒を組む。「バディ(相棒)を組んでやる役は今回が初めてかもしれない。でも、元々は(中・高時代に水球に打ち込んだ)アスリートなんで団体行動は苦手ではなかったんです」

 東映京都のスタッフとの信頼関係も厚い。初めて東映京都で撮影したのは、2002年のシングル曲「パンドーラ」のPV(プロモーションビデオ)。侍にふんした吉川は、ロックに合わせて豪快な剣さばきを見せる。「当時、三池崇史監督が太秦で時代劇を撮っていて、『この曲は時代劇に合う。太秦でPVを撮りませんか』と言われて来たんです。今回のドラマはPVと同じ場所(北嵯峨の竹林)でも撮影しましたよ」

 2年前に放映された吉川主演のWOWOW時代劇「黒書院の六兵衛」も東映京都で撮影した。「いつも映画のようなスケールとこだわりで撮ってくれ、照明や美術のスタッフ一人一人がうまい。この技術は廃れさせてはいけない」

 今回のドラマは今年2~3月に撮影。早朝や休みの日はランニングで京都市内を回った。「1日平均7キロは走りました。社寺や路地裏をぐるぐる回って。やっぱり年月を経たものが醸す空気に引かれる。妙心寺の石畳の小路とか本当に美しい。ああいう所に住みたい」。

 今回は現代劇だが、「僕は時代劇が好き。ぜひ次は京都でチャンバラを」と力を込めた。

■弓道で神経集中 向日神社でロケ

 ドラマの中の由利は、弓道で神経を研ぎ澄ませる。弓を引くシーンは、向日市の向日神社で撮影した。

 弓道をするキャラクターは吉川の提案で取り入れた。2年前に東映京都で撮った「黒書院の六兵衛」で流鏑馬(やぶさめ)に挑んだ経験もあり、猛練習して臨んだ。ただ、撮影本番になると「的に全然当たらなくて、その時の動揺たるや…。本番に強い男と疑わずに54年生きてきたけど、思ったより自分の器が小さかった。リベンジしたい」と苦笑い。

 ドラマは、1話ごとに事件を解決しながら、5話を通して由利が奥底に抱える人生を浮き彫りにする。寡黙ながら洞察力と論理力で事件を解く白髪の紳士。「セリフよりも横顔や後ろ姿で生きざまを醸せられればと演じました」と吉川。今作が地上波連続ドラマ初主演となる。