逮捕された青葉容疑者(5月27日、京都市伏見区・伏見署)

逮捕された青葉容疑者(5月27日、京都市伏見区・伏見署)

 36人が死亡した京都アニメーション第1スタジオ(京都市伏見区)の放火殺人事件で、殺人などの疑いで逮捕された青葉真司容疑者(42)の勾留理由開示の手続きが、9日午後4時から開かれる。制度上、請求から原則5日以内に開く手続きで、請求から7日後に開くのは極めて異例。専門家は「身体の自由のために定められた刑事訴訟法の理念が無になってしまう」と疑問視する。

 勾留理由開示は、刑事訴訟法に定められた手続きで、裁判官が公開の法廷で勾留を認めた理由を説明し、容疑者本人や弁護人が意見を述べることもできる。

 刑事訴訟規則84条は、勾留理由の開示をすべき期日について、やむを得ない場合をのぞいて請求から「5日以上置くことはできない」としている。だが、青葉容疑者の弁護人は6月2日に請求していた。

 また、京都地裁が当初、青葉容疑者の勾留を認めたのは5月27日~6月5日までの10日間だった。だが、地裁は勾留期間満期までに勾留理由を開示せず、5日に青葉容疑者の勾留期間を15日まで延長した。

 元裁判官の井戸謙一弁護士(滋賀弁護士会)は「勾留理由開示手続きは、被疑者の人権に関わり、本来は何よりも優先して開くべき。なぜ速やかに開かなかったのか」と指摘する。青葉容疑者がひどいやけどをし、京都地裁までの移動が難しいという事情についても、「この手続きは弁護人だけでも可能で、遅れた理由にはならない」とし、「裁判所は、請求から7日後になった理由を説明する必要がある」としている。

 刑事訴訟法では、勾留の要件として証拠の隠滅や逃亡を疑わせる相当の理由がある場合と定めている。京都府警などによると、重度のやけどを負った青葉容疑者は自力歩行できず、食事や排せつも介助が必要な状態とされ、青葉容疑者の弁護人は「勾留の理由、必要性がない」としている。