昨年の滋賀大会開幕戦の彦根翔西館-安曇川。滋賀は今年もトーナメント方式で戦う(2019年7月7日、皇子山)

昨年の滋賀大会開幕戦の彦根翔西館-安曇川。滋賀は今年もトーナメント方式で戦う(2019年7月7日、皇子山)

 第102回全国高校野球選手権と地方大会がすべて中止となり、注目されていた滋賀の代替大会の概要が8日、明らかになった。滋賀は細かな感染対策を取りながら例年同様に決勝までの実施を目指す。感染症による大会中止という史上初の事態を受けた夏は、高野連の苦心の跡がうかがえる。

 滋賀県高野連が決めた独自大会は最大で加盟すべての53校、49チームの参加を見込む。トーナメント形式で従来の滋賀大会に近い形となった。
 準々決勝までは皇子山球場と湖東スタジアムの2会場で実施し、準決勝と決勝は彦根球場で行う。大会期間は7月18日から8月9日までの土日祝日の計10日間。雨による順延も考慮して4日間の予備日を確保し、湖国の頂点を決める本来の姿を目指す。軟式は2校が出場予定で7月23日に守山市民球場で行う。
 昨年まで滋賀大会を2連覇し、初の3連覇を目指していた近江の多賀章仁監督は「中止で一度は残念な気持ちになったが、目標ができた」と歓迎する。学校が再開し練習が始まったばかりで、「感染対策に加え、暑さ対策も必要。県高野連の加盟校の一員として、なんとかいい大会をつくり上げたい」と前向きに語った。昨秋の県大会3位だった綾羽の千代純平監督は「部員には、どれくらい力が付いたか試す場になると話した。ただ、ベストな状態ではない。負けた時に納得できるかは分からない」と率直に受け止める。
 開催に当たって欠かせない感染防止策は、日本高野連が5月27日に示したガイドラインをベースに専門家の助言を受けながら今後作成する。選手や大会関係者、報道関係者にも大会前の健康観察記録と行動記録の提示を義務づける方針。選手が存分にプレーできる環境を整えつつ、これらの対策を両立できるかがポイントとなる。
 原則無観客だが、控え部員や保護者に限り、同様の記録提示を条件に認める方針だ。ある県立高の監督は「うれしい反面、本当にやっていいのかという気持ちもある」と打ち明ける。「(世間には)コロナ感染や仕事への影響で苦しむ人がいる。部員には大会ができたという自己満足で終わってほしくない」と複雑な胸中を話す。高校生の部活として異例の条件下で開催する代替大会となり、今後クリアすべき課題は多い。

■成果発揮してもらえれば

 滋賀県高野連・青山吉伸会長の話 県教委や感染症の専門家とともに開催を模索してきた。部活動の再開状況や県内の感染状況を踏まえ、対策をしっかりした上で開催するという一定のめどが立った。生徒たちが培った能力、成果を発揮してもらえれば。