自宅で料理をする機会が増え、フライパンや鍋、炊飯器などの売れ行きが好調なジェイアール京都伊勢丹(京都市下京区)

自宅で料理をする機会が増え、フライパンや鍋、炊飯器などの売れ行きが好調なジェイアール京都伊勢丹(京都市下京区)

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で臨時休業していた京都市内の4百貨店が営業を再開し、客足も徐々に戻り始めている。1カ月以上の「空白」期間を経て売れ出したのは、おしゃれな部屋着や夏物の寝具類、子ども用品など各店各様だ。気温が上がり季節需要が押し寄せたのに加え、コロナ禍で自宅で過ごす時間が増え、人々が百貨店に求める商品も変わりつつあるようだ。

 「SNSで映えるような、見栄えが良く高性能な商品が選ばれやすくなった」。ジェイアール京都伊勢丹(下京区)のリビング売り場担当の今元寿明さん(49)は話す。現在売れているのは、フライパンや鍋、炊飯器などの調理器具・家電だ。自宅で料理する機会が増えたためという。
 同店の全館休館は、4月12日から5月24日に及び、市内の百貨店で最長だった。この間に気候は温暖となり、休業明けからタオルケットや寝具、シーツなどは売上数量が前年同期比で7~8倍に急伸。今元さんは「夏の準備ができなかったお客さまが一気に来店した」と語る。
 京都高島屋(同)は、子ども用の衣料や靴などが伸びている。休業中に子どもの発育が進み、「学校再開に向けたニーズもあった」(企画宣伝部)と分析。例年は5月の大型連休前後から本格化するランドセルの注文も増えているという。
 部屋着が売れているのは、藤井大丸(下京区)だ。コロナでオンラインのやりとりが定着しつつあり、パソコンの画面越しに「映える」デザインのファッションが人気を集める。
 大丸京都店(同区)は高級総菜などが伸びている。長期間の外出自粛による「自炊疲れ」もあるとみられ、同店の広報担当者は「外食はまだ控えているのか、少しぜいたくな料理を自宅で食べる『中食』需要が高まっている」とみる。
 全館営業を再開した後も、入店者数は多くの店で前年の6~7割程度の水準にとどまる。観光客の回復が見込めず、時短営業が続く中、地域住民による「域内需要」が売り上げを支える状態がしばらく続きそうだ。