京大病院(京都市左京区)

京大病院(京都市左京区)

 新型コロナウイルスの感染の広がりを把握するため、京都市は9日、京都大医学部付属病院(左京区)と連携し、ウイルスの感染歴を調べる抗体検査を実施すると発表した。対象は市内の医療従事者や介護士ら約2千人で、今後の感染防止策に役立てる。

 京都府の専門家会議メンバーでもある長尾美紀・京都大教授(臨床病態検査学)が責任者を務め、市は検体の提供に協力する。
 対象は、市立病院(中京区)などこれまでに感染者の治療に携わった医療機関の医師や看護師のほか、市立学校の教諭、市立保育所の保育士、市バスの運転手、民間の高齢者福祉施設の介護士らで、職種や職場ごとの感染リスクを調べる。
 早ければ6月下旬にも1回目の検査を行い、同一人物に秋と冬にさらに2回実施することで、抗体を保有した経過を追う。血液、唾液それぞれに含まれる抗体を採取し、検査手法による有用性の違いを調べる。財源は三井住友ファイナンシャルグループが京都大iPS細胞研究所に寄付した5億円を活用する。
 抗体検査を巡っては、厚生労働省が今月、東京、大阪、宮城の3都府県で無作為に抽出した住民1万人を対象に始めた。京都府も府立医科大(上京区)と連携し、医療従事者らを対象に実施する予定で、市保健福祉局は「さまざまな手法の抗体検査が実施されることで、対象や地域により感染状況がどう違うか確認できる」としている。