新型コロナウイルスの影響で多くのNPO法人が事業の休止や縮小を余儀なくされ、苦境に陥っていることが分かった。

 共同通信が5~6月、47都道府県の担当者に尋ねたところ、6割強の31都道府県に地元のNPOなどから資金支援などの要望が寄せられていた。

 NPOの多くはさまざまな社会的課題に向き合い、行政の手が届かない分野で公共的なサービスを提供しているが、もともと財政基盤は弱い。

 活動停止に追い込まれれば、社会的立場の弱い人を支えてきた地域のセーフティーネットがほころびかねないだけに、事業継続に向けた国や自治体の支援が急務だ。

 NPO法人は「ボランティア元年」と呼ばれた阪神大震災が契機となって1998年に法制化された。

 福祉や教育、環境、防災など社会の多様なニーズに応えており、現在の団体数は全国で5万以上、京都は約1400、滋賀は約600にのぼる。

 だが、コロナ禍でイベントや講演会、自然体験といった活動が中断に追い込まれたほか、支援が必要な人々や支援者が顔を合わせ、つながる機会も激減している。

 経済の低迷で寄付や会費を集めることもままならず、職員の給与支払いに窮する団体も少なくないという。

 法人格の有無にかかわらず、公共サービスを提供するNPOの多くは企業のように収益確保を目的にしておらず、志に支えられて活動を維持している。

 心配なのは事業継続が困難になることで、活動意欲をなくしてしまうことだ。

 コロナ禍での国や自治体のNPO支援は十分とは言い難い。

 例えば、NPO法人は中小企業を支援する「持続化給付金」の対象だが、支給を受けるのに必要な売り上げの減少に、重要な収入源の寄付金や助成金は含まれない。

 NPOの実情を考慮に入れた制度になっておらず、もっと柔軟な対応が必要だ。

 調査では、感染拡大防止のため休業要請に応じた事業者に支給する協力金も、NPO法人を含めている自治体は30都道府県にとどまった。別の支援をしている自治体も多くはない。

 厳しい地方財政を思えば、やはり国の強い支援が欠かせない。

 多様なニーズに地域密着で対応するNPOは社会の重要な担い手だ。同様の活動をする一般社団法人や任意団体も含め、社会全体で支える必要がある。