ゲストハウスが作ったツアー動画を見るオンライン宿泊のゲスト客(画面右)

ゲストハウスが作ったツアー動画を見るオンライン宿泊のゲスト客(画面右)

オンライン宿泊を企画する藤田社長。動画を見せたり、一緒に乾杯したりして会話を楽しむ(京都市下京区・FUJITAYA B&B)

オンライン宿泊を企画する藤田社長。動画を見せたり、一緒に乾杯したりして会話を楽しむ(京都市下京区・FUJITAYA B&B)

 新型コロナウイルスの影響で宿泊施設が苦境にあえぐ中、京都市内のゲストハウスが「オンライン宿泊」を始め、人気を集めている。客は自宅からオンライン上で、京都の町並みや宿舎内の動画を見たり、オーナーや他の客と会話したりして旅気分を味わい、再会を誓う。これまで週2~3回開催し、1回6~7人の定員はすべて満員。オーナーは「収束後の未来につなげたい」と期待を込める。

 主催者は、下京区の「FUJITAYA」と「FUJITAYA B&B」を経営する藤田勝光社長(43)。たこ焼きパーティーや自転車ツアーなどの体験型イベントを企画し、世界的な旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」でも高評価を受ける。

 新型コロナの影響で、2~5月は予約キャンセルで売り上げがゼロになった。そんな中、和歌山県のゲストハウスが始めた「オンライン宿泊」を知り、藤田社長は自ら体験。「今までやってきた『人と人をつなげるサービス』はオンラインでもできる」と手応えを感じ、先月から始めた。

 今月3日夜に開かれたオンライン宿泊は、京都や香川、東京などから男女計7人が参加。京都駅からの車窓の風景やお薦めの観光ルートなどFUJITAYAが作った動画で見て入洛を疑似体験した後、自身の仕事や出身地、京都のイチ押しのパン屋や銭湯の話題で盛り上がった。各自のスマートフォンに撮りためた写真もオンラインで共有し、「話し足りない」「次はリアルな場で会いたい」と感想が続いた。翌朝、京都観光の動画と藤田社長からの礼状がメールで届き、「チェックアウト」となった。

 6月末まで、FUJITAYAを支援するクラウドファンディングへ寄付した人にオンライン宿泊体験を贈っているが、終了後も継続予定。過去に宿泊した延べ5万人の外国人客を招いた国際交流のほか、新型コロナの影響を受けた京都市内のビール醸造所を支援するなどオンラインで多彩な計画を用意している。藤田社長は「ゲストハウスを知らない京都の人にも参加してもらいたい。オンラインで過去と現在をつなぎ、未来につなげたい」と願う。