区画ごとの人口などが表示されたMESHSTATSの京都市周辺を表示したページ(佐藤准教授提供)

区画ごとの人口などが表示されたMESHSTATSの京都市周辺を表示したページ(佐藤准教授提供)

 経済活動の指標の一つとされる夜間光の衛星画像など、多くのデータを世界の任意の地点ごとに調べることができるシステム「MESHSTATS(メッシュスタッツ)」を、京都大などのグループが開発した。人口密度や災害リスクなどを調べられる国や地域もあり、小売業者が店舗を進出させる際に潜在的な顧客を把握したり、災害被害を小さくするための事前準備や施策を行ったりする場合に活用できるという。

 京大情報学研究科の佐藤彰洋准教授らのグループが開発したメッシュスタッツでは、世界の陸地を主に約1億8千万の升目に分割し、それぞれの升目で夜間光や標高などのデータを調べられる。日本や欧州、オーストラリアでは人口密度を取り扱え、全世界で商業施設や観光地などの位置データも取り出すことができる。災害発生頻度のデータがある地域では、被害リスクを事前に把握することができる。陸地は最大約116億に分割でき、よりピンポイントでのデータを得られる、という。

 ビッグデータ分析では、事前に十分なデータを集めてそれぞれの意味を理解したり、データのフォーマットをそろえたりする必要がある。一方、こうした作業を全国、全世界レベルで行うには多大な時間や労力を費やさねばならないため、データ分析の専門家でない人がビッグデータを取り扱うことは難しかった。

 佐藤准教授らは、統計に利用するために緯度・経度に基づいて地域をほぼ同じ大きさの升目に分けた日本工業規格の「地域メッシュコード」に着目し、これを世界全体にまで広げた世界メッシュコードを開発。位置情報を持つインターネット広告や衛星画像など異なるデータでも、世界メッシュコードのフォーマットに変換、蓄積することで、利活用できるようにした。

 実用化を目指しており、佐藤准教授は「経営や災害対策などの知識がある人が使えば、現状把握や何をすべきかなど、それぞれ新たな気づきを得られるだろう。世界をより良くするために活用してほしい」としている。