【資料写真】井筒八ッ橋本舗の商品(左)と聖護院八ッ橋総本店の商品

【資料写真】井筒八ッ橋本舗の商品(左)と聖護院八ッ橋総本店の商品

 聖護院八ッ橋総本店(京都市左京区)が掲げる創業年「元禄2(1689)年」は偽りで不正競争防止法に違反するとして、井筒八ッ橋本舗(東山区)が広告や商品説明への記載差し止めと600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が10日、京都地裁であった。久留島群一裁判長は「品質等を誤認させる表示とはいえない」などとして、原告である井筒側の請求を棄却した。
 井筒側は、八ッ橋が元禄年間に存在したことを示す文献はなく、起源についての定説も存在しないとして、「京都で最初に八ッ橋を創作したと誤解を招く内容」と主張して2018年6月に提訴した。聖護院側は請求棄却を求めていた。
 判決では、「江戸時代の八ッ橋の製造販売状況を客観的に明らかにする的確な証拠はない」とした上で、聖護院側の創業年は「創業が320年前のようであるという程度の受け止められ方になると推認され、これが実際と大きく異なるともいえず、誤認を招くとはいえない」と指摘。加えて、歴史の古さが必ずしも消費者の商品選択を左右するとはいえないとして、井筒側の訴えを退けた。
 判決後に会見した井筒八ッ橋本舗の6代目津田佐兵衛グループオーナー(96)は「道徳的問題であり、法律になじまない問題も多いが、創立年は重要な信頼の根拠だ」と述べた。井筒側の弁護人は控訴も検討しているとした。
 聖護院八ッ橋総本店の鈴鹿且久社長は判決後、「当社の主張を全面的に受け入れていただき、適切に判断された結果であると受け止めている」とのコメントを出した。