京都市は、災害時に自力で避難することが難しい障害者と高齢者の避難先や介護者を事前に定める「個別計画」の作成で、単身の重度障害者を対象にしたモデル事業を2019年度に実施する。全国的に災害が多発する中、災害弱者への支援態勢を強化する。

 市内で個別計画の作成対象となり得る「避難行動要支援者」は、障害支援区分4以上の障害者、要介護3以上の高齢者などで、計6万1140人いる。このうちモデル事業の対象は障害支援区分6で、単身または介護者が高齢の場合。障害者生活支援の市内5圏域のうち1圏域で数百人を想定する。

 個別計画は、作成に同意した要支援者を中心に家族や地域、普段利用している福祉施設が連携して作成する。市は計画の様式や対象者の選定、同意方法を定める。

 計画作成では、避難のサポート役として福祉施設職員や近隣住民、行政職員から数人選ぶほか、障害の状況や必要な配慮、避難所までの移動手段などを記入する。個別計画は関係者が保管する。

 国は、2011年の東日本大震災で死者の約6割が65歳以上で、障害者の死亡率が住民全体の約2倍だったことを踏まえ、災害対策基本法を改正し、避難行動要支援者名簿の作成を14年から義務付けた。一方、個別計画の作成は義務ではなく、昨夏の西日本豪雨で大きな被害が出た岡山、広島、愛媛3県の市町村でも作成が進んでいなかった。

 市保健福祉局は、災害時は地域住民も被災者になる可能性があるため、約6万人いる要支援者全員に個別計画を作るのは現実的ではないとみて、「モデル事業の結果を踏まえ、他の圏域や高齢者にどう広げていくかを考えたい」とする。