京都市教育委員会が活用しているアプリ「ストップイット」の相談画面例

京都市教育委員会が活用しているアプリ「ストップイット」の相談画面例

 京都や滋賀の自治体が、スマートフォンのチャット(文字による同時会話)で中高生が気軽にいじめや不登校などの悩みを相談できる事業に取り組んでいる。中高生に身近なスマホの無料通信アプリLINE(ライン)や相談専用アプリを活用し、悩みが深刻化する前に対応しようとしている。

 京都府教育委員会は昨年10月の1カ月間、LINEを使った相談事業を府内(京都市を除く)の公立校に通う中高生を対象に行った。生徒に配ったカードのQRコードをスマホで読み取れば、LINEで臨床心理士らに相談できる。期間中は「友だちができない」など友人関係や学業、家庭などに関する相談が250件寄せられた。

 今月7日から同月末までも行っており、府教委は「今の子どもはスマホ文化で、電話より気軽に相談できる。悩みが重くなる前に正しい窓口で大人が解決に当たりたい」とする。

 大津市も同様のLINE相談を中学生対象に2017年11月から通年で実施しており、18年度は昨年11月末までに290件寄せられた。「悩みの早い段階でアドバイスでき、役に立っている」と実感する。

 京都市教委は、相談専用アプリ「STOPiT(ストップイット)」を使った相談窓口を、市立高校生を対象に昨年9月に開設した。同11月末までに24件の相談があり、市教委は「当初は文字だけで対応できるか不安だったが、相談として成り立つと分かった」と効果を感じている。

 ただ、文字での相談対応は「気持ちの重みが分かりにくい」(府教委)、「対面カウンセリングでよく使われる、相談者の言葉を繰り返して安心させるようなことが、文字ではできない」(市教委)など難しい点も多いという。

 このため、各自治体とも運営は民間に委託し、研修を受けた臨床心理士らが相談に対応している。今後、実績を検証した上で事業を継続するか決めていくという。